アサガオを君へ
夏樹はいつだって人を撮らない。


綺麗な風景や景色しか撮ってくれない。


私から目をそらすと、夏樹は言った。


「暗いから撮れない」


最近ずっとおかしいと思っていた。


ずっとずっとずっと。


違和感を感じてならなかった。


3年になって銭湯に行った帰りのベンチ。


交流遠足のときの班決めに、係り決め。


そして今。


私は多分ずっと気づいてた。


信じたくなかっただけ。


でも、今、目を逸らしたことで確信した。


夏樹は、私に後めたいんだ。


私はポタッと涙が落ちるのを感じた。


ポタポタと溢れ出した涙が止まらない。


声を出すのも苦しいくらい、涙がでる。


それでも私は言った。


「夏樹。離れていかないで」


お願い。


お願い。


お願い。
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