アサガオを君へ

やってみなくちゃ分からない

午前中の種目が終わり、待ちに待ったお昼休み。


楽しそうな雰囲気の中。


私たちのテントの中だけが、気まずい空気を醸し出していた。


私と叔父さんと夏樹と栄治。


見事にあり得ない面子が揃っている。


夏樹のお父さんもお母さんも仕事で、基本学校行事は来ない。


だから、夏樹の弁当はいつも私が作っている。


でも今年はそれに栄治も加わった。


朝のことがあって栄治は黙々とお弁当を食べるし、夏樹が喋らないのはいつものことだし。


空気の読めない叔父さんが1人、ニコニコとお箸を進めているだけだ。


「この煮物、最高に美味しいよ〜」


「本当?前にヨウチンに迷惑かけてから、料理も練習したんだけど、成果が出たみたいで良かった」


「うんうん。最近夜ご飯もすごく美味しくて幸せだよ」
< 163 / 224 >

この作品をシェア

pagetop