アサガオを君へ

残される立場と残す立場

私は夏樹の横を歩きながら言った。


「勝っちゃったね」


「勝っちゃったな」


運動会は私たちの団が優勝をおさめた。


私が最下位になったあのリレーは、アンカーの橋本さんが巻き返したらしい。


性格さえよければ、橋本さんは結構完璧なのかもしれない。


私よりも運動ができて、私よりも人気があって。


相変わらず独特のリズムで歩く夏樹の顔をチラッと見る。


今、どこかのお店で、私たちの団は勝ったお祝いをしている。


私たちももちろん誘われた。


断ったのは夏樹だった。


私よりも先に、行かないっと言った。


それが少し不思議で、モヤモヤする。


そのお祝いには、アッキーもヨウチンも参加している。


アッキーもヨウチンも、夏樹を誘ったのに夏樹は断った。


そして私に帰ろうっと言った。
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