アサガオを君へ

夏祭り

私はあくびをしながら配られたプリントを解いていく。


そんな私の横で綺麗な顔をした夏樹が気持ちよさそうに眠っている。


先生は黒板に自習と書いて職員室に戻っていった。


チラッと周りを見回すと、見事に私と夏樹とアッキーとヨウチンとノンちゃんしかいない。


それもそのはず。


3年生の貴重な夏にわざわざ補習を受けるのなんて私たちくらいだ。


進学する子は塾に通ってる。


ただただ、自習をするだけのこんな補修、受けるわけない。


そもそも赤点なんてもってのほか。


私とノンちゃんとヨウチンは補習は自由参加だったのに、夏樹とアッキーが赤点を取ってしまった。


夏樹が補習を受けるならもちろん私も受けるし、私も受けるなら渋々ノンちゃんも受けるし、そうなったら1人残るのも嫌だからとヨウチンも受けることに。


まさに、負の連鎖だ。
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