アサガオを君へ
昔はいつも手をつないで歩いたのに。


今は簡単に手をつなぐこともできないね。


勘違いされて勝手な噂が一人歩きしてしまったら、夏樹に迷惑をかける。


そんなことを気にするようになったら、いつのまにか手なんかつながなくなった。


だから私には歩く速度を合わせるくらいしかできない。


無言で真っ直ぐ歩く夏樹の横を歩いていると、暗い道をぼんやりと照らすお祭り独特の明かりがチラチラと目につき始めた。


うわぁ、懐かしい。


お祭りのこの雰囲気が大好きだった。


最後に行ったお祭りは、確か…。


私はクイっと夏樹の袖を引っ張った。


「ねえ、最後に行ったお祭りって栄治も一緒だったよね?」


夏樹は少し考えてからコクっと頷いた。


「あいつが一緒に行きたいってごねたんだよな」


「そーそー!栄治は元気?あれから全然会ってないや」


最後に行ったお祭り以来、栄治とは会っていない。


栄治はもともと頭が良かったから中学受験をして、県外の頭の良いエスカレータ式の学校に行ったんだ。
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