アサガオを君へ
夏樹は上から吊るされているキラキラのテープを掴もうとジャンプしながら言った。


「知らね。俺もあれ以来ほぼ会ってない」


「…そっか。まだ怒ってるのかな」


夏樹はフッと笑った。


「まぁ、心もわざとじゃなかったんだから、それくらいは分かってるだろ」


そう言ってポンっと私の頭を撫でた。


夏樹には笑ってみせたけど、内心はため息でいっぱいだった。


あのとき。


栄治はすごく傷ついた顔をしていた。


私も本当にわざとやったわけでも言ったわけでもない。


でも、考えなしで発してしまった言葉で栄治とはずっと疎遠になってしまった。


私は段差につまづいて転けかけた。


わわ!!


反射的に手を前にだしたとき、パッと夏樹に支えられた。
< 99 / 224 >

この作品をシェア

pagetop