あたしと彼の物語
朝起きたら、ちぃちゃんが目の前にいた。
ちぃちゃんが普通に元気そうだったから、僕は安心したよ。
ねぇ、ちぃちゃん。
僕は、君が必要だよ。
『ちぃちゃんは僕にとって必要だよ。』
ちぃちゃんが居なくなったこの部屋で、
小さく声に出してみたんだ。
あれから、何日も経った。
__千歳side__
詩春がこの間倒れたことなんて、すっかり忘れていた。
詩春が笑っているから私も笑う。
只々、平凡な学校生活を過ごしていた。
「詩春…ひま。」
「わかる、ちぃちゃん。僕もひま。」
詩春家の机に2人で突っ伏している。
ひますぎると人は黄昏モードにはいるらしい (たそがれ)
「…ねえ。どっかいこ。」
「どっかって何処さ、」
「どっかはどっかじゃん。」
暇すぎて、暇すぎて、自分が何をしたいのかわかんなくなってくる。
無理やりにでもなにか見つけないと、
「……さみしくなるよ…。」
「ん?ちぃちゃん何か言った?」
「いや、なんも。」
儚くて、消えそうで。
それでもあたしは、詩春の笑顔が大好き
それでもあたしは、詩春の笑顔が大嫌い
たまに、夢をみる。
いつもの顔で笑う詩春を追いかけようと手を伸ばすのに、あたしは詩春を通り越して詩春を置いていってしまう。
それが嫌で、詩春のところへ戻ろうとするけど、そこには透明な壁があってあたし達の間を通せんぼしている。