ヒスイ巫女4
「「「「「ただいまー」」」」」
孤児院に入るとカレーの匂いがして一気にお腹が減った。
「おかえりどこまで行ってたんだ?」
「えっと…公園まで」
由夏が目を泳がしながら言った。晃は
「ふーん、それで?何をしたんだ?怒らないでやる言え由夏」
晃が何かイタズラでもして隠しているのかと思った。
隠しているのは間違いないが…
「晃お兄ちゃん!」
拓歩が大きな声を上げた
「お、おうどうした拓歩」
「えっと…僕達はいつも晃お兄ちゃんにお世話になってるから感謝を伝えようと思ってみんなで作りました。受け取ってください。」
4人が花の冠を渡すため両手で冠を持ち、表彰を受け取る時の格好になった。
少したっても受け取る様子がない晃に子供たちは不安になって顔を上げた。
すると…
晃が号泣していた。
「ありがとうみんなズビッ」
鼻をすする晃にヒスイがティッシュを渡す。
鼻をかんで晃は4人を抱きしめた。
「こちらこそプレゼント作ってくれてありがとう」
そんな5人を見てヒスイはどこか羨ましくみていた。
その日の夕食はいつもより騒がしい夕食となった。
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