【完】幼なじみのあいつ
うぅ~。
これ以上、考えたら熱がひどくなりそうだ。
そう思ったところで、ドアをノックする音が聞こえてきた。
「はい?」
少し大きめに声を出すと扉が開き、保健の先生が部屋の中に入ってきた。
「…先生、わざわざスミマセン」
身体を起こし、先生に少し頭を下げる。
「あらっ?顔色良くなってきたじゃない。良かったね」
「おかげさまで…、どうもありがとうございました」
「いいのよ、それより御飯全部食べれたみたいね」
先生はホッとした顔で、私が食べた昼食をお盆ごと手に取った。
「あ、御飯持ってきてくれて、ありがとうございました」
「いいのよ、ノックをしたけれど返事がなかったから、ホテルの人に部屋の鍵をもらって朝食を置いたの」
勝手に入ってごめんね、と謝る先生にそんな事はないです!凄く嬉しかったです!
と、手を左右に振りながら先生に答えた。