【完】幼なじみのあいつ
「…何よ?待っててくれるなら、隠れてないでどうどうと立っててよ」
「別に隠れてないし、どうどうとここに立っていたけどなぁ」
私を振り向きながら、ニヤリと笑う翔ちゃん。
憎ったらしーっ!
けど、やっぱり好き---
修学旅行の日から亮ちゃんと私は恋人同士になったけれど、でも翔ちゃんへの思いは薄れるどころか思いは増しているような気がする。
亮ちゃんには申し分けないって思っているけど、中々この思いがなくならなくて私自身も辛いんだよね。
翔ちゃんのこと、意識しないようにしてるのになぁ---
気持ちを切り替えるのって、中々難しいね。
こんな状態のまま亮ちゃんと、付き合っててもいいのかな?
勿論、別れたからって翔ちゃんと付き合えるなんてこれっぽっちも思ってないよ。
ただ今の自分の心が宙ぶらりんで、スッキリしないのがイヤなのだ。