【完】幼なじみのあいつ


「そうか…」


そう言って、そのまま黙ってしまった亮ちゃん…。


亮ちゃん?




「………」


「…鈴、俺達別れよう」


「えっ?!亮ちゃん?」




亮ちゃんから、突然の別れ話しに目をパチクリと瞬き亮ちゃんを見る。


表情は今だ苦しそうにしているが、それでも私を見つめるその瞳は優しくて…。



私を好きだと言っているのが分かる。


それなのにいきなり、どうしてそんな事をいうの?



もしかしてそう思っているのは私の勘違い?




それに、翔ちゃんを忘れさせてくれる為に一緒にいてくれるって亮ちゃん言ったじゃん!





「鈴、翔の事が好きならもう告白しちまえ」


そう言った亮ちゃんは言葉とは裏腹に、ギュッと強く抱き締めてきた。


まるで、私を離したくないとでもいうように---




セリフと行動が一致していない亮ちゃんに、戸惑いながら尋ねた。




「亮ちゃん?」


「…あいつはもう、彼女と別れたんだ。だから鈴にはチャンスじゃないか?早く言わないと、また誰かに翔をとられるぞ?」



え?


本当に翔ちゃんに告白しろって、亮ちゃんは言うの?




「…い、言えないよ亮ちゃん」



顔を上げ、首を思いっきり振った。




翔ちゃんに告白なんて絶対に無理だよ~っ!



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