【完】幼なじみのあいつ


「やめとけノブ。あれは男同士でやったところで持ち上げられない。やるなら自分より軽めな女とやった方が上手く行くぞ」


「えっ?翔先輩、やったことあるんですか?」


「あぁ、俺もキャプテンに補助してもらってやった事あるけどあんまり上手く行かなかったな。自分でジャンプした方が高く飛んだ」



翔ちゃんは目の前で試合をしている人達をジッと見ながらも、後輩に自分の過去の事を話して聞かせていた。


そんな事、したんだ?




ノリの良いキャプテンは翔ちゃんに言われて、イヤイヤどころかノリノリでやったんだろうな…とその場に自分はいなかったけど分かった。




「ふーんっ、そうなんっスか?でもホントあの鈴先輩と翔先輩コンビシュート、すっげー良かったな…。また来年も合宿に来て、披露してくれませんかね?」


「もうあんな危ないシュート、やらないわよ…」



ノブ君の言葉にゲンナリしながら顎を膝にのせ、目の前の試合を見ることにした。




「鈴、またやろうぜっ!」


横から声がかかり視線だけを向けると、ニッと翔ちゃんに笑いかけられた。


その言葉に私は、顔を歪ませる。



冗談は止めてよね?




「絶対にイヤ。怖いし」


「大丈夫。必ず守ってやるって言っただろ?」



翔ちゃんのその言葉に私だけではなく、同じチームの花ちゃんやノブ君、篠君も唖然と私達を見た。


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