【完】幼なじみのあいつ
「うわっ、翔先輩、すっげーキザっ!」
篠君の言葉に翔ちゃんは照れたのか、顔が一気に赤くなる。
「うっせ…」
膝に腕をつきその腕で真っ赤になった顔を隠す翔ちゃんに、思わず笑ってしまった。
「鈴先輩っ、翔先輩照れてますね。かわいいっ」
「そうだね」
そんな私も実は照れてますが、それが何か?
その後、一回戦で負けた私たちチームはずっと座りながら皆の試合を見ていた為、お尻がかなり痛くなって立ち上がるのに一苦労だった。
さて今年の男女混合トーナメント試合の優勝者は、私たちと第一回戦で対戦した男子キャプテン率いるBチームでした。
もしあの時私達が勝っていたら今回、優勝していたかもしれない。
…とは思うけど実はそれ程、悔しいとは思っていないんだ。
何故って…?
んー…なんかね、目一杯頑張ったから気持ちがスッキリしてるの。
まぁ、微塵も悔しくはないのか?と聞かれれば、それはウソになるのだけど…。
でも中学生最後のこの試合は、ほんっとうに楽しかったから最高の思い出になったよ。
翔ちゃんと同じチームにもなったしね。