【完】幼なじみのあいつ
「そうなんだ?じゃ、楽しみだね。たしかノブ君の家、洋食屋さんをやっているから結構美味しく出来てるんじゃないかな?」
たしかそんな事を、バスケ部の誰かから聞いた事があったなぁ。
「あぁ、そういやノブがいつか家を継ぎたいから、家で料理の勉強もやってるって言ってたな」
そう言った翔ちゃんは、急に楽しみだーなんて言い出した。
ちょっと現金だよね?
「鈴、お前は高校に行ってもまた、バスケを続けるのか?」
急に話しが変わり目を瞬きつつ、今まで考えていた事を頭の中で整理してみる。
バスケはずっと、続けたいんだ。
でもね、私の実力じゃ高校ではレギュラーなんて絶対に取れそうにないの。
三年間やってみて実力のある女子に比べれば、私なんて足元にも及ばない…。
そんなんで高校でバスケをやったところで、周りの迷惑にならないかな?って思ってて今、悩んでいるところ。
本当にどうしよう…。
「うーん、ちょっと悩み中なんだよね」
へへっ…と、照れ笑いを浮かべた私。
翔ちゃんはバスケ上手いから、きっとやるんだろうな?