【完】幼なじみのあいつ


やっと私の番が終わった…。


やりきったからか、感極まって泣いてしまった。



ダメだ…、


止まらないよぉ~。



大粒の涙が流れ出て、袖で拭っても後から後から零れ落ちる。




しかも温かい声をかけながら拍手してくれるから、余計涙が止まらないじゃないか!




それとは別のものが聞えてきて、不思議に思いながら横に視線を向けると…、


五人ほど間を空けて立っている翔ちゃんが、腹を抱えて笑っていた。




「鈴、鼻水垂れてる~」


ちょ!


こんな時に、何を言うのよ?




急いで鼻元に手を持っていき、ズズッと鼻を啜った。


指先には特に、濡れた感触はしない。




あぁ、翔ちゃんのウソなんだな…とすぐに分かった。




”もう!翔ちゃん!!!”


そう、文句を言おうと口を開きかけ、すぐに口からプッと笑いが零れてしまった。



怒りより、なんだか私も可笑しくなって、ついつい笑ってしまったのだ。




そしたら周りのみんなも、何泣きながら笑ってんのー?


なんて言いながらもつられるように、ドッと笑いが起こる。




それから暫くして落ち着いた頃、残り数人の女子がみんなの前でお別れの言葉を綴った。



聞きながら、今日でもう最後なんだな---


なんて感傷的になってしまう。





今日でこのバスケ部とお別れなんだな…と思うと寂しく感じてまた、胸に込み上げてくるものを感じた。


そんな風に感じる事が出来るのは、このバスケ部が私にとって大事な場所だったから。


本当にこの部に入って良かった…と、改めてそう思った。




よし!


高校に入ってもバスケ部に入るぞっ!



そう、心に決めた。





3年生のお別れの言葉が終わると、次は下級生から3年生への一言があった。


それにもやっぱり涙々だったけど、みんな泣いているのか笑っているのか分からないそんな表情だった。



そんな明るく和やかな雰囲気のままに、今度はゾロゾロとみんなで外に向かって行く。





バスケ部全員での、花火大会が始まるのだ!








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