【完】幼なじみのあいつ
外に出れば昨夜と同じくらいに、空は満天の星が瞬いていた。
綺麗…。
ホウッ…と息をつき見惚れていると、花火の音がそこかしこから聞こえてくることに気付く。
辺りを見渡すと各々、自分の好きな手持ち花火に火をつけて楽しんでいた。
闇夜に浮かぶ花火がパチパチと、持ち手を幻想的に浮かび上がらせている。
そこかしこから光る花火もまた、夜空の星に負けないくらいの美しさを暗闇に彩っていた。
それにしてもみんな、行動早いなぁ---
さて私も、花火をしようかな?
花火の山となっているところまで行き、ヒョイッと緑と黄色のシマシマ柄の花火に手を伸ばす。
どんな閃光を、この花火は見せてくれるのかな?
楽しみにローソクについている火に向かって花火を伸ばし、火がつくのを待つ。
するとすぐに花火に火が着いた為、急いでその場から離れしゃがみ込んだ。
私の手にした花火は緑色の光に色づきながら、真っ直ぐ地面に向かって勢いよく放つ。
ジッとその光だけに集中していると、自分の持っている花火の音のみが耳に入ってきて周りのみんなの声が遠ざかっていくように感じた。
まるで滝のように流れるこの花火が、まるで私を見ているように感じたのはどうしてだろう?
いつの間にか終わってしまった花火から出る白い煙りをジッと見ながら、さっきまであんなにもエネルギーに満ち溢れていたのにいまはもう、もの悲しくユラユラ燃え尽きている事に切なく感じる。
まるでこれで私のバスケ人生は、終わりだとでも言うかのように…。
途端、辺りに鳴り響く大きな音にハッと上を見上げた。
ヒューッ、パンッ---
小さめだけれど、夜空に赤い綺麗な花が咲いた。
続いて二発目…、三発目---
そっか…、
一つが終わってもまた、花を咲かせればいいんだよね?
これで終わりじゃない。
この中学時代で終わりじゃない。
まだ、私には未来があるんだ---
そう思わせる程、夜空に輝く打ち上げ花火は私に何かを訴えかけていた。