【完】幼なじみのあいつ


「…きれい」


次々と打ち上がる花火。


それを黙って、見上げていた。






「あれ?」


先程までとは違った、妙なものが目に入ったように気がして目を擦る。



んんん?


今、花火ではない、赤い煙が出たかと思ったらすぐに消えたような気がしたんだけど…。



何だったんだろう?


不思議に思いながらモヤモヤと夜空に広がって行く煙に、首を横に傾げながらジッと見つめた。




「あれ赤狼煙(あかのろし)っていって、運動会とかイベントの時に打ち上げる花火なんだってさ。面白そうだから買ったんだけど、案外つまんない花火だったな」



「翔ちゃん…。つまんなくはないけど、何でそんなの買ったのよ?」



いつの間にか私の隣に座っていた翔ちゃんは、腕を組みながら本当につまんなそうな顔で空を見ている。




あ!


また、赤狼煙が夜空に上がった。




「あれ、結構高かったのになぁ」


「いくらしたの?」


ポツリと呟く翔ちゃんにそれとなく聞いて見ると、んーっ…と言いながらそのまま黙ってしまった。




言いたくないって事は、もしかして相当高かったのかな?


赤狼煙って---


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