【完】幼なじみのあいつ
お互いに『おやすみなさい』と言い合うと、明るい部屋の中で目を瞑った。
目を瞑ると途端、夕食前に見てしまった翔ちゃんのキスシーンが脳裏によみがえる。
何度この場面を思い出したことか…。
早紀ちゃんと付き合うようになってからの翔ちゃんは、こっちがげんなりするほどのラブラブっぷりを発揮している。
そんな2人にとってのキスなんて、大した事はないのかもしれない---
2人にとっては大した事はないかもしれないけど、翔ちゃんを好きな私としては見たくはないし辛いすぎる。
ダメだ…。
熱のせいか、頭がグルグルする。
思考を何とか落ち着かせる為、寝ようと試みた。
眠れない…。
いつも以上に頭の中は、翔ちゃんの事で頭がいっぱいになってしまう。
翔ちゃんが幸せそうに、早紀ちゃんと話している姿を見ているのが辛い。
部活のない休日は笑顔で早紀ちゃんとデートなんだと言う翔ちゃんに、笑顔を貼り付けて手を振る自分が情けなくなる。
二人仲良く笑いあっている姿に、何度胸が苦しくなったか…。
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…………ッ、あれ?
ふと、違和感を感じ瞼を開けた。
何だろう?
今、どこに違和感を感じたっけ?
………そうだ!
奈良公園で翔ちゃんがバスに乗り込む時、大好きな早紀ちゃんと一緒にいたにも関わらず翔ちゃんは楽しそうな顔をしてはいなかった。
……なんで?
まぁそんな事、考えたってしょうがないか…。
二人の事だもんね…。
いつの間にか薬が効いてきたのか、私は暗い闇の底へと誘われていった。
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