【完】幼なじみのあいつ
「そんなに不安そうな顔するな。俺は鈴が好きなんだ。お前に利用されてるなんて思うわけがない。ずっと好きだった鈴への気持ち、みくびるなよ?」
本当に甘えてもいいの?
亮ちゃん---
今の私は弱くて、誰かに寄りかかりたくて堪らないの。
亮ちゃんを頑張って好きになるから……、いいよね?
「…うん。亮ちゃん、宜しくお願いします」
私の言葉にふわっと柔らかく笑った亮ちゃんは、宜しく…と言いながら顔を近づけてきた。
間近に迫る亮ちゃんの顔を見ながら、あぁ…、亮ちゃんってまつ毛が以外に長かったんだな?
…とか、目がきりっとしてて、こんなかっこいい人が私の幼なじみで、しかも恋人だなんていいのかな?
なんて思っている内に、亮ちゃんと私との距離まで後1㎝となってしまう。
キイ---
扉の開く音にはっと気付いて、顔を横を向けた。
その為、亮ちゃんの唇が私の唇にたどり着くことはなく唇の横に触れる。
扉の前には、翔ちゃんが唖然と立っていた。