【完】幼なじみのあいつ
「…しょ、翔ちゃん?」
「…あぁ、ドアをきちんと閉め忘れていたようだな。………どうした?翔…」
私の傍にあった亮ちゃんの顔が、離れていく。
今、私の唇の横に亮ちゃん、キスしたよね?
………私が顔を動かさなかったら今頃…、
亮ちゃんとキス………、していた?
しかもその場面を翔ちゃんに見られていたんだ…。
そう思った瞬間、私の顔が一気に熱くなったのを感じた。
「…あ、ごめん。……ってか、お前ら何やってんだよ?!キ、キスなんかして」
はっとした翔ちゃんは動揺しているのか視線を彷徨わせつつも、チラチラと私と亮ちゃんを見てくる。
そんな翔ちゃんに恥ずかしくて、目を逸らしてしまった。