【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
マジで?
えっ、マジなの?
なに?
って事は俺たちって両思いなのか?
亮平のヤツ、やりやがったな---
ま、いっか。
亮平は鈴の事を、本気で好きだったのは知っていた。
そして俺は自分の気持ちに、今まで全く気が付かずにいた。
気付かなかった俺が悪いんだし亮平の気持ちを考えると、今までアイツも辛かったんだと分かる。
俺達は一体、なにをやってんだろうな?
「ごめん。鈴の事が好きだと気付くのが遅くなって…。鈴と一緒にいるのが当たり前すぎて、こんな簡単な事に気づかないなんてな」
鈴を思いっきり抱きしめた。
コイツは俺の事が好きだったんだな。
スッゲー嬉しい---
抱きしめると鈴の温もりが伝わってきて、泣きたくなった。
幸せすぎて…。
まさかこんな結末になるなんて思わなかったから、本当信じらんねぇや---
「…鈴」
鈴の両頬に手を添えて鈴の唇に自分の唇を寄せて、軽くキスを落とした。
ウットリとした瞳で俺を見つめている。
そんな鈴の顔に、鈴はもう俺のものなんだと実感して嬉しくなった。