【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
「なんで命令?」
「お前がどう思ってようが、鈴が他のヤツと一緒にいるの見ていたくねーんだ。…鈴が亮平と付き合ってるって聞いた時、…スッゲー苦しかった」
鈴の動きが止まった。
なんかもう…、
俺はかなり恥ずかしいことを言っているような気がする。
が、この際もっと恥ずかしい事を言ってやるかと開き直り、一回息を吸い込む。
「鈴が俺の傍からいなくなるなんて耐えられない。俺の傍にずっといて欲しい。…勝手でごめん」
言った---
完全に諦めてはいるが、言ったら大分スッキリした感じがする。
「私も、………翔ちゃんが好き」
鈴が俺を…、好き?
えっ?
亮平と両思いなんじゃねーの?
俺の頭の中は、疑問符で一杯になった。
「好きって…、お前、亮平と付き合ってるんじゃ?」
「亮ちゃんと付き合ったのは、…私が翔ちゃんと早紀ちゃんが一緒にいる所を見ているのが耐えられなくなって。…そしたら亮ちゃんが翔ちゃんを忘れる為に付き合おうって言ってくれたの」