【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
とにかくこいつの胸…、どうにかしてくれと軽くため息をついていたら、鈴が俺の頭に自分の頭をコツンとくっつけてきた。
なんか俺、ますます胸がドキドキしてきちまったんだけど?
その後、俺の心を全く読んではくれない鈴は、ベッタリ俺に凭れかかってくるため内心冷や汗が---
ほんと鈴…、離れてくれませんかね?
俺の心臓が持たないのよ。
心の中でボヤキながら、体育館まで歩いて行くのだった。
* * * * *
「おまたせ、亮ちゃん」
鈴をおんぶしながら下駄箱まで来ると、亮平と早紀ちゃんがいた。
まぁ、待ち合わせをしていたから当たり前か。
鈴が怪我した事を言うと二人は驚いた顔をしながら、俺と鈴を交互に見てくる。
ただ亮平が俺を見るその瞳は若干、睨んでいた気がした。
二人の視線が妙に痛い。
これは早く鈴を下ろしたほうがいいな…と、俺はしゃがんで鈴に下りるよう促した。