【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
完全に寝入った鈴の頭をソッと撫でながら、改めて階段から落ちた鈴に何事もなかった事に酷く安堵した。
まぁ、全身打撲にはなったけど鈴が今、生きてくれている事が俺にとってスゲー幸せなことなんだと思った。
もし打ち所が悪くて鈴がこの世からいなくなってしまったらなんて考えたら、怖くて堪らない。
それだったら…、
鈴がいなくなるくらいなら亮平と鈴が付き合うくらい、俺にとってはに大した事じゃないなと考えた。
頭を撫でていた手をそっと離し、鈴が生きていてくれてありがとうという意味を込めて鈴の頬にキスを落とす。
そっと離れ、改めて鈴を見た。
愛しい鈴---
「鈴、俺はお前が好きだ」
切ない鈴への思いは、いつになったら開放されるのだろうか?
そう思いながら窓辺に立ち、チラリと鈴の寝顔を見てから自分の部屋へと戻った。