【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
ピーッ---
試合終了の合図が鳴り響いた。
ボールは入らず、そのまま輪の外に転げ落ちる。
俺はそれを力なく見ていた。
「………」
スッゲー、悔しい。
後一歩だったのに、情けねぇーな。
ダラダラ流れる汗が、何故だか俺の涙の様な気がした。
* * * * *
それからどうやって更衣室まで戻ってきたのか分からないが、皆に声をかけられても俺の耳にはまるで入ってこなかった。