【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~
試合終了まで、残り1分---
このままだと1点差で負けてしまう。
なんとかしなくては…
ダンダンッ---
俺たちのチームにボールが渡り、一斉に駆け出した。
汗が飛び散る中、がむしゃらに走りノブからボールを受け取ると相手をなんとか避わしながらゴール下へと近づく。
しかしそこには190cmコンビが待ち受けていて、エリア内に入る事が出来なかった。
かなりの混戦模様だ。
どうする、俺?
刻々と近づく終了時間に、気持ちばかりが焦る。
「翔ちゃーーーんっ!!!」
この歓声の中、鈴の声だけが聞こえた。
それを聞いた瞬間、俺に不思議な力が宿ったように感じ、気付くと身体を捻りながらジャンプシュートをしていた。
ガンッ!
ゴールポストに当たったボールは輪の部分でクルクルと回り、そして落ちた。
「ワアァァァァァァァァァッ!!!!!!」
大歓声が体育館内に鳴り響く。