【完】幼なじみのあいつ ~翔ちゃんサイドストーリー~


試合終了まで、残り1分---



このままだと1点差で負けてしまう。


なんとかしなくては…




ダンダンッ---



俺たちのチームにボールが渡り、一斉に駆け出した。


汗が飛び散る中、がむしゃらに走りノブからボールを受け取ると相手をなんとか避わしながらゴール下へと近づく。




しかしそこには190cmコンビが待ち受けていて、エリア内に入る事が出来なかった。


かなりの混戦模様だ。





どうする、俺?


刻々と近づく終了時間に、気持ちばかりが焦る。





「翔ちゃーーーんっ!!!」



この歓声の中、鈴の声だけが聞こえた。


それを聞いた瞬間、俺に不思議な力が宿ったように感じ、気付くと身体を捻りながらジャンプシュートをしていた。





ガンッ!


ゴールポストに当たったボールは輪の部分でクルクルと回り、そして落ちた。





「ワアァァァァァァァァァッ!!!!!!」



大歓声が体育館内に鳴り響く。


< 64 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop