ポチ。




え、僕はまだ何も話していない。
なんでバレたのか。



店長が勘づいて先に謝ったのか。
そして僕は殴られるのだろうか。





松本の寡黙な顔が感情を見えなくする。








松本はしゃがみこみ落ちていた封筒を拾い僕に渡した。

「なんでこのタイミングでこんなとこに、落としたんですか?この隙間から外に出て飛んでいったらどうしてたんですか。のら猫も歩いていましたし糞尿がかかったら許すことはできませんでしたからね。少し角にすり傷がついてますけど今回は目をつむります。」






松本が渡したのは、僕が探していたものだった。




幸い僕が立ち上がったのが拾おうとしたのに見えたようだった。それ以外の言葉は言わずに無事に取引は終わった。









昨日鞄に入れたつもりが、入っていなく鞄から外れて落ちていたのだ。




確かに少し高い位置から落とすようにして下に置いてた口が開いたままの鞄に入れた記憶があった。













店長にも気を付けるように言われたくらいで無事にその日を終えた。



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