ツレない彼の愛し方【番外編追加】
「綾乃...終わってない、俺たち」
「えっ?」
綾乃の意味が分からないと言った顔。
勝ち気で気が強いくせに、不意に無防備に向けてくるそういう顔がたまらなく好きだったんだ。
「俺たち、終わってないよ」
一生、使わないと思っていた切り札をココで出してしまおう。
スマホを取り出し写真フォルダを開く。
それをそっと綾乃の前に差し出した。
綾乃が写真を凝視して時間が止まる。
「....これ....あ....」
やっと発した言葉と溢れ出す涙。
きちんと保護して保存してある1枚の写真。
ずっとずっと大切に保存してあった。
二人の子供のエコー写真。
「なんで?なんで修ちゃんが持ってるの?」
涙で声になっていない。
「ここで、あの日、この海でお別れしたじゃない。あの1枚しかなかったのに」
「うん、1枚しかなかった」
「なんで?どうして修ちゃんが...」
「綾乃がね、1枚しかないからあげられないって嬉しそうに見せてくれた時、こっそり写真を撮ってた。俺も欲しかったけど、欲しいって言えなくて」
「あの時からスマホだって変わってるのに」
「機種変更してもその度に保存してあった」
「どうして?どうして....」
「本当は俺だって綾乃との赤ちゃん嬉しかった。けど若過ぎて守ることができなくて、そんな自分が情けなくて嫌気が差して...綾乃に顔向けができなかった」
初めて伝える胸の内。