かぐやの月
キンッ キンッ キンっ


羅門とかぐやが激しく打ち合う。


四方八方からも羅門の仲間がかぐらを襲う。


かぐやの部下も応戦しているが、相手は数で圧倒している。


「黒居、伏せろ!」


部下の後頭部をまた、木の上から狙う矢が放たれたのをかぐやは見逃さなかった。


弓は地面にザクッとささる。


「もらった!」


羅門にはかぐやをぶった斬ったと思われたが、倒れたのは自分の仲間だった。


「何!うっ」


かぐやは羅門の足元を滑り込み、背後から切りつけ絶命させた。


ヒュイッ


かぐやの口笛が鳴るなり、煙が辺りを包んだ。


「乱舞」


煙の立ち込める中から、断末魔の叫び声が四方八方から上がる。


煙が散ったあとは千歳の里守が壊滅していた。


かぐやの鋭円盤が敵を惨殺している間、部下は地に伏せ回転する鋭い歯に切り刻まれるのを逃れていた。



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