サイレント王子と秘密の恋。(修正済み)

「でもね。その好きな人が私に告白してくれたの。
私は、嬉しかったんだけど
親友の事があって迷っていたら
それを知った親友が裏切り者とか言って
私を責めてきて。
クラスの子に言いふらしたり
嫌がらせをしてくるようになったの。
だから私…もう同じ思いをしたくなくて」

「咲良とは、これからもずっと
仲良くしたいと思っているから
咲良の好きな人が知りたいの」

目をウルウルさせながら言ってきた。

ズキッ…と痛む心臓。

そんな事を言われた後だと
自分の本音が言えない。

私は……。

「私は、まだ好きな人が居ないから…大丈夫」

嘘をついてしまった。

「本当!?良かった……。
咲良とギスギスするのが嫌だったから
安心したわ。
信じてるからね。咲良のこと」

「……うん。」

せっかく出来た友達と
ギスギスしたくないのは、私も同じ。

同じなんだけど、彼女に嘘をつかないと
いけないのが苦しかった。

裏切りたくない。

隠さなくては……自分の気持ちを。

ガタガタ震える手をギュッと
隠すように握った。

「そうだ。せっかくだからプリクラ撮らない?
友達の証として
変顔とかしたら面白いよねぇ~」

美守は、ニコニコしながら話してくれる。

「……うん。」

その後もプリクラを撮ったり
楽しくて過ごしているはずなのに
心の中は、モヤモヤして複雑な気持ちだった。

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