海恋
いきなり呼び捨てかよ。
しかも『可愛い名前』って、変態か。
思わず、プッと吹き出した。
「なんだ、笑えるじゃん」
七海もそう言いながら笑う。
そういえば、心から笑えたのって、なんか久しぶりだ。
丹波七海。
ある意味、凄いかもしれないな…。
「咲良、どこから来たん?
家どこ?」
七海が聞いて来た。
「…東京」
答えたくもない、大嫌いな場所だった。
東京ほど、汚れた所はないと思う。
「へぇ、東京かぁ。
すげーなぁ、咲良は…」
七海は、東京が羨ましいんだろうか。
あたしは、七海が羨ましいよ。