海恋
これしかない、シンプルな部屋だった。
「咲良ぁ、布団持って来たが」
お婆ちゃんが、布団を背負ってあたしの部屋に来た。
「ありがとうございます」
「気んかいさんけぇー」
き、気んかいさんけー?
「ねえ七海」
「ん?」
お婆ちゃんが部屋を出て行った後、七海にさっきの言葉の意味を聞いてみた。
「“気んかいさんけー”は、“気にしないで”って言う意味だが」
「ありがとう…
ごめん、あたしまだ方言わかんなくて」
沖縄に来たは良いけど、勢いだけで来たから、方言とかは何も学習して来なくて、訳がわからない。
「少しずつ覚えてけば良いさあー」