海恋
えっ?? なんで?
確かに、持って来た筈なのに。
「教科書が………………ない」
「えっ?」
どんなに机の中を漁ってみても、覗き込んでみても、教科書がない。
「おかしいな…。
朝には、ちゃんとあったのに」
今日バッグから出した時は、確かに入っていた。
「誰かに貸したんじゃない?」
「えっ………?
あぁ~………………。
……ああっ!」
そうだ、思い出した。
2時限目の前に、裕くんに貸したんだ。
「あたし……
裕くんに、教科書貸しっぱなしだ」
「ええっ!」
「あたし………ちょっと行って来る」
「えっ、止めなって!
もう時間ヤバいぞ?」