海恋
はぁ…… もう、陸くんには敵わない。
でも……さ…
また、キレイな横顔を拝める…。
世界史の授業の間、あたしと陸くんの間には妄想壁が出来ていた。
あたしが分厚く張る、妄想壁が――。
しかも、今回は、なんとか名指しされずに済んだ。
3時限目も、無事終了。
授業が終わると、あたしは真っ先に教室を飛び出した。
向かった先は、特進クラスの、2-S。
教室を覗くと…
…あれ、裕くんがいない。
世界史の教科書、返して貰おうと思ったのに。
「どうかしたぬ?」
教室から出て来た女の子に、声を掛けられた。
「あの、裕くんに用があって...」