海恋
ボサボサの時も、下ろしてるしかないって事…。
「さすがにこれは…短くし過ぎだよ…」
かろうじてそう言ってはみたものの、泰代は、表情を変えずに、あたしをじっと見下ろした。
「はぁ? わんが折角うじらーさんにしたゆーぬに、気に入らんぬかね?!」
泰代は、相変わらず無表情だが、今の言動と口調から考えて、かなり怒っているように感じる。
「あ……… あはは。
確かに、み、短い方が、良いかも。
手入れとかも、楽だし…」
慌ててそう巻き返すと、泰代は無表情をパッと崩し、笑顔全開になった。
「でしょ。
ちょっとは迷ったけどさあ」
胸を張って自慢気にそう話す泰代とは裏腹に、あたしの頭の中は、絶望と困惑でいっぱいだった。