海恋
「オレもそろそろ染め直さなきゃ。
貝橋みたいに、思い切って明るい色にしてみようかなぁ」
陸くんが、自分の髪を触りながら笑ってそう言った。
陸くんの髪は、後ろの襟足が前よりも伸びていて、前髪も伸びて、左右に分けられている。
暗めの茶色に染められた髪は、下の方が黒くなってしまっている。
でも…
「陸くんに、明るいのは似合わないよ」
「え?」
きょとんとしてこちらを見る陸くん。
「今の髪色の方が、似合ってる」
「…え」
えっ、待って待って。
陸くん、なんで今、赤くなってるの?
ジーっと陸くんを見つめると、プイッとそっぽを向いてしまった。