海恋
来門島の海は、相変わらず青く透き通っていて、とても美しかった。
静かに波の音が聞こえて来る。
暫くキラキラと光る浜辺を歩いていると、あたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。
その声が、この海の波みたいに、穏やかな声だった。
「七海...」
あたしが名前を呼ぶと、七海はフッと優しく微笑んだ。
七海って、この海みたいに心が透き通っていて綺麗で、悲しみとかも、全てを優しく包み込んでくれる。
優しくて、大らかで。
七海って、まるで海みたい。
「咲良。
どうしたぬ?」
七海は微笑んで笑ってはいるが、なんだかどことなく、気まずそうにしてる。