海恋


『○○病院前ー、○○病院前ー……』



呑気な声のアナウンスを聞いて、思わずイラついた。



けど、そんな事にも構ってもいられず、バスが停車したらすぐに降りた。



「あいっ、ねぇねぇ、運賃!」



バスの運転手に声を掛けられたけど



「…すみません、今度払いますっ」



そう言って、呼び止めようとする運転手をよそに、ペコッと深く頭を下げ、背を向けて病院のロビーまで駆けた。



「あ、あのすみません。
今日、交通事故でここに運ばれて来た男の子がいませんでしたかっ?」



「…少々お待ちくぃみそーれ」



ナースステーションにいた看護師がパソコンを操作しながら、もう1人の看護師に聞いていた。

















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