ヒマワリの笑顔
以前、まきおばちゃんの家に初めて助けを求めに行った時、奇跡にも赤ちゃんはまだ母のお腹で生き続けていた。

生命力が強い子、男の子かな?

そう言って微笑みながら母はよく家でお腹をさすっていた。

が、今はうずくまり、血がどんどん流れている。

そこからはハッキリ覚えていない。

目まぐるしく時が過ぎた。

まきおばちゃんがきた。

救急車がきて父も乗った。警察も来た。

兄がハッキリ受け答えをしている。

まきおばちゃんが兄の次に何か話した。

私と妹はわけもわからずただ茫然としていた。
その日、結局母は帰らず、私たちはしばらくまきおばちゃん家に預けられた。

お母さんとお父さんは2人の時間が必要だから、1週間だけまきおばちゃん家にいてね♪

それが、まきおばちゃんの言い方だった。

もう誤魔化せない。

父は子供たちの前で暴力を振り、母は救急車で運ばれた。

もう言い訳きかない。

そう思ったのだろう。

妹は、自分を責めた。

そして、この日から彼女はケーキが食べられなくなった。

妹の記憶からこの出来事は消えているだろう。

まだ小さかったし衝撃的過ぎた。


だが、脳が覚えている。

だから、彼女はもうケーキを食べる事が出来なくなった。

今も、誕生日の時は苺のみ、とかモンブランにしている。

何故ケーキが食べられないのか。

匂いが気持ち悪から。

大人になった今もそう答えている。

おそらくあの時、ケーキを吐いたのだろう。
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