先生、私じゃダメですか?


「吉野さん、大丈夫? 」
「えっ、はい。大丈夫です」


胸がドキドキと音を立てている。



このドキドキは渋谷じゃなくて、

あいつ……柊に対して。


「なら、いんだけど…… 」
「じゃあ私、部屋に戻りますね」


私は少し小走りで

渋谷の前を通り過ぎた。


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