先生、私じゃダメですか?
「せ、先生! まぶしいです」
「あ、ごめん。ていうか二人とも、早く部屋に戻りなさい」
私は、はいと返事をし
渋谷の方に向かおうとしたとき腕を掴まれた。
振り返ると、
柊は私の耳に顔を近づけた。
「吉野が俺のこと忘れていても、俺は吉野のこと忘れてないから」
柊の息が耳に触れて……
「俺はずっと、お前のこと探してた」
柊はそう言い、
私の腕を離し先に歩き出した。
胸がドキドキと音を刻む。
”探してた”
柊の言葉に
私の胸はひどく動揺している。
嬉しいの?
悲しいの?
わからない。