女子高生の私と不機嫌な若頭


私は女将さんに事情を説明し急遽上がらせて貰った


急いで保育園へ迎えに行くと
一人教室の隅で体育座りしている雄哉がいた


『雄哉、遅くなってごめんね』


私が声をかけると
雄哉は駆け寄ってきた


『ごめんね、寂しかったでしょ』


「ううん、だいじょぶ。きょうはおねぇちゃんが おむかえ?」


『うん、ごめんね』


雄哉は一人で泣いていたんだと思う
だけど、寂しかったなんて言わない
……いつもそうなんだ


『お腹空いたでしょ?帰ったらオムライス作ってあげるね』


「わーい、やった」


無邪気に喜ぶ雄哉に少しホッとした
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