【短編】甘い香り-Last×kiss-
「なぁ、お前って俺の事好きなワケ?」


「ん……え?」


悠季は、目を丸くして声を発した。


あり得ない、と言うような顔で悠季は口をパクパクさせる。


窓から流れる微妙な風が教室のカーテンを揺らし、僕らに微風な風を与える。


「――…好きに決まってんでしょ」


悠季は、気の抜けた声で当たり前の様に言った。


「―――…そっか♪」


不安だった気持ちも、悠季の一言で一気に吹き飛び、頭の中でリピートする「好き」という二文字。


つくづく、僕はゲンキンだ。
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