禁断のプロポーズ
「暇だからって、私になんか興味もないのに、結婚したら、後悔しますよ」

「確かに、お前には興味はないが、夏目にはある。

 ……いや、そういう意味でじゃない」

 こちらの表情を読んで、心外そうに、智久は言った。

「夏目は、案外、お前に本気なんじゃないか?
 その顔だしな」
とまた意味深なことを言い出した。

 追求しても、たいして答えてくれないくせにな〜、と未咲は、不満げに小首を傾げて見せる。

 だが、構わず、智久は笑って言った。

「お前を奪ってやったら、面白いかもな」

「相変わらず、私の意志、お構いなしですね。

 そんなことなさらなくても、専務が課長を目の敵にする必要などないと思いますけどね」

 わざと二人を役職名で呼び、帰ろうとした。

 ちょうどガラス越しに、佐々木が戻ってくるのが見え、これ幸いと入れ違いに未咲は出て行った。
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