禁断のプロポーズ
なんなんだろうな、この二人。
トイレに起きた克己は、そっと未咲たちの寝ている部屋の障子を開けてみた。
細いその隙間から中を覗くと、二人で気持ち良さそうに眠っている。
入ろうとしてやめた。
平和でありふれているが故に神聖な空間に、ズカズカ入り込もうとしているような気がして。
『第二の誰かに騙されたんですか?』
未咲の言葉を思い返しながら、月を見上げる。
「その顔がねえ。
嫌いなんだよ、未咲ちゃん」
そう呟く。
そのまましばらく、夜露に濡れた草むらから響く虫の音を聞いていた。