禁断のプロポーズ
 



 もう寝た。

 夏目は、すぐに気持ちの良さそうな寝息が聞こえてきた、隣の布団を覗く。

 美咲の頭の側に手をつき、反対を向いているその顔を覗き込んだ。

 ……可愛いな、と素直に思う。

 顔立ちは美人系だが、表情が。

 寝ている顔まで、無邪気で可愛い。

 なのに、中身は、なに企んでるんだかわからない感じなのが、不思議だ。

 実はなにも考えてないんだったりしてな、と思いながら、自分も布団に横になる。

 白いシーツの上に広がる未咲の髪が目に入った。

 そっとそれに触れてみると、未咲が寝返りを打ったので、慌てて手を離す。

 すぐ目の前に、美咲の白くて小さな顔が来て、どきりとした。

 今度は自分が反対を向いて、目を閉じる。

 あっという間に、ゴムまりのばあさんが縁側を跳び出してきたので、これは夢だとすぐにわかった。
 
 
 
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