禁断のプロポーズ
 



「私、海外に行こうかと思います」

「また唐突だな。
 二時間サスペンスのラストか」
と智久は言う。

 カップ麺が食べたい、と言うので、部屋で作ってやって、二人向かい合って、食べようとしたときのことだった。

「海外行っても、なんにも解決できないし、傷も癒えないと思うが」

 そう智久に言われ、

「いや、夏目さん連れて海外に。

 何処かに兄妹で結婚できる国があると思うんですが」
と言うと、

「……ボジティブだな」
と言われる。

「タイムマシンを発明して、過去に飛んだ方がいいぞ。

 幾らでもそんな国がある。

 血筋を守るために、身内で婚姻することを推奨してた国も多いしな」
と最近流行りの高そうなカップ麺ではなく、昔からある極普通のラーメンを啜りながら智久は言う。

「じゃあ、会社やめて研究室に入ります」

「大学入り変える金は、もう出さんぞ。

 五十万じゃ、入れないだろうな」

「いや、もう五十万はないです。

 食べちゃったし」

「ヤギか」

「貴方は何処まで本気で言ってるんですかね?

 桜さんと高いランチ食べに行ったんですよ」
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