禁断のプロポーズ
 


「専務」

 仕事も終わろうかという頃、未咲は仕事をしていた智久に呼びかけた。

「今日、おうちに行ってもいいですか?」

 智久が顔を上げる。

「昨日、忘れ物しちゃったみたいで」
と言うと、

「……昨日の家か。
 わかった。

 十時には帰る」
と言う。

 昨日の家かってなー、と思っていた。

 幾つも部屋持ってる人は、言うことが違うよ、まったく。

 しかも、それぞれの部屋に雑誌で見たようなインテリアが揃えられている。

 とても、今の自分では手が出ないような代物だ。

 でも、私は夏目さんちが落ち着くなーと思いながら、失礼します、と頭を下げて出て行った。
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