禁断のプロポーズ
「……鞄を引っ繰り返してたんですよね?」

「鞄が引っ繰り返されてて、箪笥の引き出しが幾つか開けられてたな」

「引き出しは、全部じゃなかったんですか?

 じゃあ、箪笥を探した方が後だったんでしょうか。

 おねえちゃんの日記は鞄にありました。

 見つけてもなお、なにかを探してたってことですか?

 それか、引き出し開けてる途中で、鞄に気がついて、そっちを見たか」

「金盗るついでに興味本意で持ってったのかもしれないな。

 なにかまずいことが書いてあれば、脅して、金盗れるかもしれないし」

「空き巣がそんな危険なことしますかね〜?」

「更に探してたって言っても、お前の部屋に他に狙われるようなもの、ないだろう」

 決めつけたような口調で言うので、つい、

「あるかもしれませんよ」
と言ってしまう。

「なんだ?」

「……えーと、日記ですよ」

「日記?」

「私の日記ですっ」
と威張ったように言うと、阿呆か、と言われる。

「どうせ、くだらないことしか書いてないんだろ」
と流された。
< 313 / 433 >

この作品をシェア

pagetop