禁断のプロポーズ
 



「夏目さん、……うわっ。
 洗面所もですね〜」

 警察が帰ったあと、部屋の荷物を再チェックしていたので、先に、夏目に風呂に入ってもらったのだが。

 風呂場にも、鑑識が指紋採取のときに使った粉があちこちに張り付いていた。

 しばらくはこれを取るのに奮闘せねばならないようだな、と思う。

「お風呂場もですか?」
と言うと、そうだな、と声が聞こえる。

 まあ、タイルだから、木の壁よりは取りやすいか、と思ったとき、夏目が言った。

「入るか?」

「は?」

「一緒に入るか?」

「嫌ですよ、恥ずかしい」
と言うと、なにを今更、と言われてしまうが、そんなものではない。

「明るいから嫌です」
と言うと、

「じゃあ、あれつけたらどうだ?

 お前、この間から、キャンドルで風呂に入りたいとか言ってたじゃないか」
と言ってくる。

「あ、いいですよね。

 一回、やってみたかったんですよ。

 この間、可愛いのもらったし。

 あと、薔薇とか浮かんでたら、最高ですよね。

 ……まあ、掃除が大変ですけど」
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